■先週の血統ピックアップ


・11/17 マイルCS(GI・京都・芝1600m)
 好位を追走したインディチャンプが最後の直線で弾け、ダノンプレミアムを交わして春秋マイルGIを制覇しました。乗り難しさのあるステイゴールド産駒だけにテン乗りが懸念されたのですが、池添騎手は見事な手綱さばきで末脚を引き出しました。ピッチ走法ながら直線の長いコースを得意とし、これまでに勝った3つの重賞は、東京、東京、京都外回り。次走、香港マイルのシャティン競馬場は、直線の長さが430mで京都外回りよりも長いので問題ないでしょう。

 父ステイゴールドはサンデーサイレンスの後継種牡馬のなかでは長い距離に向いたタイプで、産駒の大物牡馬も、オルフェーヴルを筆頭にゴールドシップ、ドリームジャーニー、ナカヤマフェスタ、フェノーメノ、レインボーラインなど、スタミナを武器とするタイプが目立ちます。それゆえに種牡馬となった際、スピードに欠ける面がネックとなることもあるのですが、インディチャンプはマイルで鋭い脚を使う異端児。豊かなスピードを伝える名繁殖牝馬トキオリアリティー(リアルインパクト、ネオリアリズム、アイルラヴァゲインの母)の孫であることがセールスポイントです。リアルインパクトは種牡馬として好スタートを切ったので、同牝系のインディチャンプも楽しみです。

・11/16 東京スポーツ杯2歳S(GIII・東京・芝1800m)
 中団を追走したコントレイルが直線で後続を引き離し、1分44秒5という芝1800mのJRA2歳レコードで圧勝しました。この日は芝2000mの2歳未勝利戦で1分59秒5というJRA2歳レコードが記録されたように、時計の出やすい馬場だったことは確かです。それを考慮してもコントレイルのパフォーマンスは図抜けており、一気に世代トップに躍り出た感があります。

 ノースヒルズ生産のディープインパクト産駒としてはキズナ以来の大物でしょう。母ロードクロサイトは未勝利馬ですが、「父ディープインパクト、母の父アンブライドルズソング」の組み合わせはダノンプラチナ(朝日杯FS)、レッドベルジュール(デイリー杯2歳S)などと同じニックスで、2代母フォークロアは米2歳牝馬チャンピオンとなった名牝です。「父ディープインパクト、母の父アンブライドルズソング」は2歳戦で連対率58.8%(44戦25連対)と驚異的な成績を挙げており、早い時期から能力を発揮できる血統です。

 矢作調教師が「2000mは大丈夫でしょうが2400mはどうでしょうか」とコメントしていたように、問題は距離です。上記の組み合わせは1600〜1800mで抜群の成績を収めており、2000mでも平均以上ですが、それを超える距離では微妙です。過去、東京スポーツ杯2歳Sを勝ったディープインパクト産駒はディープブリランテ、ワグネリアンといずれもダービー馬となっており、コントレイルの能力をもってすれば2400mをこなしてもおかしくないと感じますが、本質的には2000mのほうが合うタイプなので、強力なライバルがダービーに出走してきた場合、楽観視はできません。

■今週の血統注目馬は?

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