■先週の血統ピックアップ


・11/3 百日草特別(2歳1勝クラス・東京・芝2000m)
 3番手を追走したホウオウピースフルが直線で鋭く伸びてデビューから2連勝を飾りました。序盤は力んでいたものの、徐々に折り合ってスローペースに落ちた中盤をうまく乗り切り、ラストの末脚比べで楽々と抜け出しました。ラスト2ハロン10秒9-11秒2という猛烈な上がり勝負で後続に2馬身差を付けるのですからここではモノが違います。

 完歩が大きいのにピッチ走法、という父オルフェーヴルの走り方によく似ています。半兄ブラストワンピースは有馬記念など4つの重賞を制覇。母ツルマルワンピースはトライマイベストとエルグランセニョールの全兄弟クロスを4×3で持つ名配合馬で、同じキングカメハメハ系の名牝アーモンドアイ(トライマイベスト≒ロッタレース5×2)とよく似ています。芝1800m→芝2000mと使ってきているので、オークスが目標だとは思いますが、スタートしてしばらく力んでいたように、現状はむしろペースが速いマイル戦のほうが向くのではないかと思います。ただ、陣営としては中距離の大物に育てたいはずで、先々のことを考えると距離短縮はためらわれるところでしょう。いずれにしてもオルフェーヴル産駒だけに今後は気性面の成長を念頭に育てていくものと思われます。

・11/3 新馬戦(東京・芝2000m)

 押し出されるように先頭に立ったスカイグルーヴが直線で後続を突き放し、持ったままで5馬身差圧勝しました。ラスト4ハロン12秒5-11秒8-11秒2-11秒1という加速ラップ。手綱は抑えたままだったのでまだ全力を出していません。母アドマイヤセプターは二冠馬ドゥラメンテの全姉、2代母アドマイヤグルーヴはエリザベス女王杯連覇、3代母エアグルーヴは年度代表馬、4代母ダイナカールはオークス馬、という日本を代表する名門ファミリーです。

 母アドマイヤセプターは血統的には中距離馬でしたが、気性的な難しさが災いし、短距離に活路を見出した馬でした。血統的には短距離向きではないにもかかわらず京阪杯2着、スワンS3着など重賞で健闘したのですから高いポテンシャルを秘めていました。父エピファネイアは現2歳世代が初年度産駒で、新種牡馬ランキングではキズナに次いで2位。この2頭は歴代の新種牡馬の成績と比較してもトップクラスであり、両馬ともいずれ種牡馬ランキングの上位に食い込むことは確実です。

 エピファネイア産駒は少し揉まれ弱いところがあるのか、あるいは粘り強い脚質がストロングポイントなのか、現状、逃げ馬の成績が抜群です。今回はスピードや能力の違いで押し出されるように先頭に立ちましたが、結果的にベストの戦法でした。勝ちタイムの2分01秒4は3レース後に行われた百日草特別よりも0秒5速く、東京芝2000mの新馬戦では歴代最速タイム。揉まれた際にどうかという課題はありますが、重賞級の素質馬であるのは間違いなさそうです。

■今週の血統注目馬は?

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