“すぐに使える”血統知識を伝授する、栗山求氏の簡単血統塾。先週のプロキオンSを制したのはアルクトスで、その父はアドマイヤオーラ。早逝が惜しまれる同馬について改めて解説します。また、「血統Tips」では今年初戦を勝利した最強女王エネイブルについても、その血統について見ていきます。

■先週の血統ピックアップ


・7/7 プロキオンS(GIII・中京・ダ1400m)
 好位を追走したアルクトスが直線でミッキーワイルドに半馬身競り勝ちました。重賞初制覇です。

 父アドマイヤオーラは弥生賞、京都記念、シンザン記念などの勝ち馬で、兄弟には年度代表馬となった女傑ブエナビスタを筆頭に、ジョワドヴィーブル、サングレアル、トーセンレーヴ、アドマイヤジャパンなどがいます。母ビワハイジは現役時代に2歳女王となり、母となってからは歴史的成功を収めました。これだけの血統背景だけに、アドマイヤオーラはG2が最高成績ながら種牡馬として成功を収めました。

 JRAで出走経験のあるわずか53頭中、クロスクリーガー(兵庫チャンピオンシップ、レパードS)、ノボバカラ(カペラS、プロキオンS、かきつばた記念)、アルクトス(プロキオンS)の3頭が重賞勝ち馬となりました。決して一流とはいえない繁殖牝馬を相手にこれだけの実績を残したのですから驚異的です。わずか11歳で早世してしまったのが惜しまれます。アドマイヤオーラは父アグネスタキオンの影響で脚部に不安のあるタイプで、現役時代に再三骨折の憂き目を見て、最期も放牧地で骨折して果てました。重賞を勝った3頭は、それぞれ母の父がブライアンズタイム、フレンチデピュティ、シンボリクリスエス。頑健で骨太な血統ばかりです。いずれも父の弱点を補う配合といえるでしょう。

・7/7 2歳新馬戦(中京・芝2000m)
 後方に控えたマイラプソディが直線で外から差し切りました。1000m通貨が65秒7という超スローペースで、ラスト2ハロンが11秒3-11秒2という上がり勝負。これを苦もなく突き抜けるのですから実力的に抜けていました。直線でギアが切り替わってからのフットワークに凄みがあり、超大物ではないかと予感させます。

 母テディーズプロミスは米サンタアニタでダート7ハロンのG1を1分20秒47の好タイムで快勝した実績があります。同馬が抱えるシアトルスルーの血は、父ハーツクライと好相性を示しており、このパターンからスワーヴリチャード、アドマイヤラクティ、カレンミロティック、シュンドルボン、カポーティスター、ベルラップという重賞勝ち馬を出しています。アメリカで2つのG1を勝ったヨシダもそうです。1週前の芝コースでの追い切りで、先週新馬勝ちを果たしたラインベック(父ディープインパクト、母アパパネ)に先着したパフォーマンスは本物でした。クラシック路線に乗ってくる馬でしょう。

■今週の血統注目馬は?

・・・

続きはスーパープレミアムコース
登録でご覧になれます。

登録済みの方はこちらからログイン