“すぐに使える”血統知識を伝授する、栗山求氏の簡単血統塾。先週の日本ダービーを制し3歳の頂点に立ったのはロジャーバローズ。その血統背景に迫ります。この見事な配合は「あの馬」を意識した“後追い配合”とのこと。また、今週の安田記念はアーモンドアイとダノンプレミアムの2強ムードですが、ここでも血統の観点から考えることが可能です。他にも「今週の血統注目馬」など、要チェックです!

■先週の血統ピックアップ


・5/26 ダービー(GI・東京・芝2400m)
 離れた2番手につけたロジャーバローズが早め先頭から押し切りました。先に行った馬が止まらない馬場で、馬の持ち味を最大限に発揮させた浜中騎手のファインプレーといえます。父ディープインパクトは昨年のワグネリアンに続いて2年連続のダービー制覇。通算では5頭目となります。トウルヌソルとサンデーサイレンスの6頭が歴代最多記録ですからこれを抜く可能性もあるでしょう。

 母リトルブックは英タタソールズの繁殖牝馬セール(2012年)で購買された馬で、ドナウブルー(関屋記念、京都牝馬S)とジェンティルドンナ(牝馬三冠馬、ジャパンC、有馬記念、ドバイシーマクラシック)を産んだドナブリーニの4分の3妹です。競走成績はイギリスで10戦未勝利ながら、ジェンティルドンナが牝馬三冠とジャパンCを勝った直後だったので、価格は23万ギニー(約3500万円)とかなりの額でした。リトルブックにディープインパクトを交配したのは、もちろんドナウブルーとジェンティルドンナを意識してのものでしょう。

 ロジャーバローズはこれらの8分の7同血です。この後追い配合は見事成功しました。この秋は凱旋門賞に遠征をするとのこと。まだまだ成長の余地があるので楽しみです。

・5/25 葵S(重賞・京都・芝1200m)
 好位を追走したディアンドルが直線で抜け出しました。デビュー戦2着のあとこれで5連勝です。「ルーラーシップ×スペシャルウィーク」という組み合わせだけをみれば芝向きの中距離タイプですが、カロギャルの牝系はスピード型で、母の半兄シェーンヴァルトはジャングルポケット産駒ながら2歳秋にデイリー杯2歳S(GII・芝1600m)を1分33秒3のレコード勝ち。その影響を強く受けていると思われます。

 母方にサンデーサイレンスとフェアリーキングを併せ持つルーラーシップ産駒は、デビューした4頭中3頭が勝ち上がり、テトラドラクマ(クイーンC)と本馬が重賞を勝っています。きわめて相性のいい配合パターンといえるでしょう。

■今週の血統注目馬は?

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