“すぐに使える”血統知識を伝授する、栗山求氏の簡単血統塾。先週のヴィクトリアマイルはノームコアが制し、父ハービンジャーはGI・5勝目。そのハービンジャーの配合セオリーについて、まずは解説していきます。また、日本ダービーのトライアルであるプリンシパルSを制したザダルはトーセンラー産駒。こちらも今後要注目の馬ですが、トーセンラーはいったいどのような種牡馬なのか、改めて学んでいきましょう。

■先週の血統ピックアップ


・5/12 ヴィクトリアマイル(GI・東京・芝1600m)
 D.レーン騎手が手綱を取ったノームコアがゴール前の競り合いを制し、1分30秒5のJRAレコードでGI初制覇を飾りました。ハービンジャー産駒のGI勝利は5つめ。芝1600m〜2500mで幅広く勝っているのですが、おもしろいことにすべて3〜5番人気の伏兵であり、1、2番人気に推されての勝利はありません。今回も5番人気でした。また、5勝中4勝は外国人騎手です。父ハービンジャーは馬体の緩さがセールスポイントであり、同時にウィークポイントでもあります。この部分を補正するために、母方にはダートOKの少し硬めの血を入れるのが配合的セオリーです。

 ノームコアの母の父はクロフネ。ダートの強さには定評があります。また、ブラストワンピースとモズカッチャンの母の父は芝・ダート兼用のキングカメハメハ。ペルシアンナイトの母はサンデーサイレンスですが、母はダート王ゴールドアリュールの全妹です。今週のオークスにはノームコアの半妹クロノジェネシスが上位人気で出走します。東京コースは2戦2勝だけに期待できるでしょう。

・5/12 プリンシパルS(3歳OP・東京・芝2000m)
 先に抜け出したエングレーバーをゴール直前でザダルがクビ差とらえました。これで3戦全勝。中1週となるダービーは体調を見極めてからの出走判断となりそうですが、仮に出なかったとしても、先々GI戦線の常連となるであろう素質馬なので、むしろここは無理をしないほうがいいかもしれません。

 父トーセンラーは現役時代にマイルCSなど重賞3勝。天皇賞・秋を勝ったスピルバーグの全兄で、道悪は不得手でしたが、パンパンの良馬場に強いタイプでした。先週の東京芝は土日ともコースレコードが更新される高速馬場だったのでザダル向きの馬場だったといえるでしょう。母の父レモンドロップキッドはアメリカでダート12ハロンのベルモントSを勝っているので、距離延長は問題ないでしょう。

■今週の血統注目馬は?

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