“すぐに使える”血統知識を伝授する、栗山求氏の簡単血統塾。まずは先週行われた長距離王決定戦の天皇賞・春について。ここを制したフィエールマンは「過去の傾向からは語れない馬」とのこと、その真意は?そして日本ダービーのトライアル・青葉賞を制したリオンリオンについては、その実力は「侮れません」との判断です。また、週末に向けての注目馬や「血統Tips」と今回も充実の内容でお送りしていきます。

■先週の血統ピックアップ


・4/28 天皇賞・春(GI・京都・芝3200m)
 4コーナーで先頭に並びかけたフィエールマンがグローリーヴェイズとの一騎打ちを制し、菊花賞に次ぐ二つ目のGIを獲得しました。ラスト1000mが58秒5というロングスパート戦。3着以下を6馬身引き離した1、2着馬は、スタミナに関して一枚上のものを持っていたといえるでしょう。

 フィエールマンの母リュヌドールはポモーヌ賞(仏G2・芝2500m)、マルレ賞(仏G2・芝2400m)を勝ったスタミナタイプ。父ディープインパクトはスピードタイプの母と相性が良く、これまでの代表産駒はほとんどがこの配合パターンでした。スタミナタイプの母から誕生したフィエールマンは異端といえます。

 ディープインパクト産駒の平均勝ち距離は、ステイゴールドやハーツクライ産駒よりも短いのですが、母からスタミナを受け継いだフィエールマンは過去の傾向からは語れない馬で、中長距離では相当な器ではないかと思います。切れとスタミナを兼備し、なおかつ機動力もあるので崩れにくいタイプです。

・4/27 青葉賞(GII・東京・芝2400m)
 好スタートから先頭を奪ったリオンリオンがそのまま逃げ切りました。前後半のラップは71秒7-73秒3。終いに速い脚を使えるわけではないので、ゆるみのないハイペースに持ち込み、後続に脚を使わせる競馬にした横山典弘騎手が上手かったと思います。

 ルーラーシップ産駒は東京芝2400mで連対率38.6%と圧倒的な成績。血統的適性も高かったと思います。青葉賞は逃げ切りが難しいレースで、それを逃げ切ったわけですからリオンリオンの実力は侮れません。前回、青葉賞を逃げ切ったのは06年のアドマイヤメインですが、同馬は続く日本ダービーでも2着に逃げ粘りました。リオンリオンも日本ダービーでは要注意の存在です。

 トゥザヴィクトリーの牝系に父ルーラーシップ、という配合構成は他にフェアリーポルカがいます。同馬は前走のフローラSこそ大外枠の不利がこたえて5着と敗れましたが、前出のとおりルーラーシップ産駒は東京芝2400mで圧倒的な成績を収めているので、オークスで好枠を引けば穴をあけるかもしれません。

■今週の血統注目馬は?

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