“すぐに使える”血統知識を伝授する、栗山求氏の簡単血統塾。豪華メンバーが参戦し非常に注目度が高かった先週の金鯱賞。制したのは9ヶ月半ぶりとなったダノンプレミアムでした。改めて同馬の血統を読み解きます。また、今週行われるクラシックへ向けて重要な一戦・若葉Sもピックアップ。ディープインパクト産駒ワールドプレミアが人気の中心と思われますが、血統的穴馬候補もスタンバイ。こちらも要チェック!

■先週の血統ピックアップ


・3/10 金鯱賞(GII・中京・芝2000m)
 インの3番手に控えたダノンプレミアムが直線半ばで抜け出し、9ヵ月半ぶりの実戦を鮮やかな勝利で飾りました。これで通算成績は6戦5勝。唯一の敗戦である日本ダービーは、ザセキで皐月賞を回避した影響で体調が万全でなかったこと、距離が長かったことに敗因が求められます。ダービー後に長期休養に入り、復帰戦を勝った馬といえばドゥラメンテやトウカイテイオーがいます。ダノンプレミアムはダービーを勝っていないとはいえ、それらに引けを取らない名馬ではないかと思います。母はダンジグ4×3で、その息子デインヒルを抱えています。

 ダンジグ - デインヒルのラインは、ヨーロッパやオセアニアでは主流血統として栄えていますが、なぜか日本では存在感が薄め。しかし、尋常でない活力を秘めた血であるのは間違いなく、それをしっかり取り込んだダノンプレミアムは、スピードタイプでもあり、将来種牡馬になった際にも楽しみな存在です。生産したのはケイアイファーム。ロードカナロアの生産牧場でもあります。同ファームを運営する中村家は、古くはアングロアラブの大種牡馬タガミホマレ、ノーザンテーストの連続リーディングサイアー記録を阻止したミルジョージなどを所有した日高の名門です。

・3/10 フィリーズレビュー(GII・阪神・芝1400m)
 雨中の激戦となりノーワンとプールヴィルが1着同着で優勝を分け合いました。12番人気の伏兵だったノーワンは牝馬限定の未勝利戦を勝ったばかり。ここにきて馬が良くなっていたのでしょう。1番枠から出て距離ロスなくインを回ってこれたのも大きかったと思います。「ハーツクライ×カーリアン」という組み合わせで、母プレイガールはダービー馬フサイチコンコルドと同血(父が同じで母同士が全姉妹)。「母にノーザンダンサーの強いクロスを持つ」というハーツクライ産駒のオーソドックスな成功パターンに当てはまります。

 プールヴィルは「ルアーヴル×ケンダルジャン」という組み合わせ。父ルアーヴルはフランスに繋養されている種牡馬で現役時代に仏ダービーを勝ちました。代表産駒のアヴニールセルタン(仏オークス、仏1000ギニー)、ラクレッソニエール(仏オークス、仏1000ギニー)はいずれも社台ファームが購買しており、プールヴィルも社台ファーム生産馬。この血に目をつけたのは慧眼です。母ケンホープは芝1600mの仏G3勝ち馬。血統的に奥が深く、なおかつ日本向きの軽さに恵まれているので、この先の競走生活だけでなく繁殖牝馬としても楽しみな存在です。とはいえ、桜花賞戦線で考えた場合、やはりダノンファンタジー、クロノジェネシスといった既成勢力の壁が厚いのではないかと思います。

■今週の血統注目馬は?

・・・

続きはスーパープレミアムコース
登録でご覧になれます。

登録済みの方はこちらからログイン