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▲「寝ても覚めても競馬がすべて」のミルコが語る今年の戦い方


2015年に外国人として初めてJRAの通年免許を取得したミルコ・デムーロ騎手、初来日したのは20年前の1999年でした。スペシャルウィークのジャパンCを現地観戦し、その翌月には小倉で騎乗。それ以来、毎年欠かさず日本での騎乗を続けてきました。このインタビューは「ミルコ騎手と日本」の関係に改めて迫る企画です(全4回)。

「僕は調子の波が激しすぎる。フラットになりたい」と常々語っているミルコ騎手。去年もすごくフラストレーションがたまったそうで…。しかしそれは、競馬に対して真っ直ぐ取り組んでいる証。「寝ても覚めても競馬がすべて」のミルコ騎手が、「2019年の戦い方」を語ります。

(取材・文=不破由妃子)


一番大事なのはGIを勝つこと


──以前、『with佑』にご出演いただいたとき「僕は調子の波が激しすぎる。フラットになりたい」とおっしゃっていましたね。最近はいかがですか?

ミルコ 全然変わらない(苦笑)。去年もすごくフラストレーションがたまりました。前半はすごく順調で、裁決に呼ばれることも少なくて。勝ち星も4月まではリーディングだったのに、夏あたりから全然勝てなくなった。9月には騎乗停止もあって…。

 12月はたくさん勝てたけど、1年を通して考えると、やっぱり大きな波がありました。(こういう性分は)ホントに嫌ですね。

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▲2017年2月に「with 佑」で藤岡佑介騎手と対談


──“気持ち”に左右される部分が大きいということですか?

ミルコ ん〜、僕自身もちょっとまだわかっていません。なんで失敗するのか、なんで勝てなくなるのか…。そんな自分にいつもイライラしてますね。日本の競馬は1週間空くでしょ? 僕にとって、それがよくない。

──失敗や悔しさを1週間引きずってしまう?

ミルコ そうです。もうホントにヤバイくらい(笑)。今日は木曜日ですが、まだ先週の日曜日の失敗を引きずっています。(自分の胸に手を当てながら)ずーっとココに溜まってる。僕の性格上、日本の競馬のサイクルにはなかなか慣れることができません。週の半ばに地方競馬に乗って、そこで勝てば忘れられるのかな(笑)。

──競馬のストレスは競馬で解消するしかないということですね。

ミルコ はい、その通りです。頭のなかは、ずっとそこにとどまったままですから・・・

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