今回の「with 佑」は特別編! JRAジョッキーズの馬券対決をお届けします。メンバーは藤岡佑介騎手、藤岡康太騎手、浜中俊騎手の3名。舞台は10月25日の園田競馬場。当日のメイン競走を含む3Rで勝負し、最終金額が一番多かったジョッキーが優勝となります。最下位のジョッキーは読者に私物プレゼント!

前回の第1戦は、残念ながら全員ハズレ。意気消沈しつつも、息つく間もなく次なる戦いへ向かった一行。第2戦は、食堂ブースにある串カツ専門店『串勝や』さんで、予想からレース観戦までお世話になることに。佑介騎手も「めっちゃいいな」とご満悦。みんなで地方競馬を満喫しちゃいます!

(構成:不破由妃子)

出遅れまで予想していたミスター園田


 馬券対決初戦となった9Rは、ミスター園田こと藤懸騎手も含め、残念ながら全員ハズレ。意気消沈しつつも、息つく間もなく次なる戦いへ向かった一行ですが、その道すがらに展開された、9Rの“反省トーク”と10Rの展望をキャッチ。9Rについては、やはり3番アテンコールの圧勝は衝撃的だったようで──。

浜中 やっぱり3連単は難しいね。しかも、3番めちゃ強いし! 普通、大出遅れからあんなに圧勝する?

康太 それだけ力差があるんやろうね。なんかわかった気がする。ああいうグリグリの馬は切ったらアカン。俺たちが思う以上に力があるっちゅうことや。

with佑

▲園田競馬で馬券対決! (左から)浜中騎手、康太騎手、佑介騎手、藤懸騎手


──藤懸さんは、3番の出遅れまでは予想していたんですけどね。

藤懸 あり得るなぁとは思ってました。だから馬券も3番の出遅れ待ちだったんですけど…。

康太 さっきパドックを見ながら、カメラの前でも「出遅れるかも…」って言ってたもんな。

藤懸 でも、出遅れたら頭はないと思っていたので…。あー! 悔しいなぁ。

出走馬の中に浜中騎手が騎乗したことのある馬が!


──藤懸さん、さっそくですが、次の10Rの見解を。

藤懸 いや〜、これもまた逆の意味で難しいですねぇ。人気がけっこう割れてますから…。そのぶん配当的にはおもしろいんじゃないかと思います。荒れそうな予感。

康太 (藤懸騎手の新聞を覗き込みながら)ペンでいっぱいチェックが入ってるけど、これは何のチェックなの?

藤懸 これはおもに時計ですね。目立った時計にはこうやってチェックを入れてます。あとは、格上のレースの成績とか。10Rでいうと、3番のシービジョンズの4走前にチェックを入れましたが、これ、重賞(のじぎく賞)なんですよ。

──10Rには、かつて浜中さんが乗っていた馬が3頭も出走してるんですよね。さきほどカメラの前ではエーシンザヘッドについて「僕が乗って2着にきたことがあるみたい」とおっしゃっていましたが、4番のスナッチアイズも浜中さん騎乗で2着(2017年2月19日・小倉芝1200m)にきてますよ。

浜中 はい、覚えてます。でもねぇ、スナッチはダート馬じゃないからなぁ。

佑介 たしかに小柄な牝馬でダート馬のイメージはないな。

浜中 でしょ? 僕ね、お姉ちゃんのスナッチマインドにもずっと乗せてもらっていて、芝の短いところで最終的にオープンまでいったんですよ。だからこの血統には余計に芝のイメージがあって。

 ここで、次の立ち寄りポイント、食堂ブースにある串カツ専門店『串勝や』さんに到着。10Rは美味しい串カツを食べながら、店内のモニターで観戦することになりました。店長さんいわく、店内で観戦していたお客さんで1300万円も儲けた強者がいるとか。さすが『串“勝や”』さんだけあって、これは縁起がいい! さっそくミスター園田のレクチャーを受けながら、各自買い目の検討に入り──。

with佑

▲食堂ブースにある串カツ専門店『串勝や』さんにお邪魔します!


佑介 牛串4本、ポテサラのハム巻4本、ホルモン4本お願いします!

康太 アスパラもください! あとエビもください!

佑介 めっちゃ食うやん(笑)。

康太 まあね。ん〜、次のレースはちょっと外せへんな…。

浜中 貴志、3番(3番人気シービジョンズ)はどうなん?

藤懸 3番はいいと思います。4走前に「のじぎく賞」っていう重賞を走っている馬なので(5着)。前走の時計も、良馬場で1分31秒4。これも評価していいと思います。

浜中 これさ、2番(2番人気ゴールドエントリー)が逃げるのかなぁ。

藤懸 2番は前走1200mで逃げてる馬なので、1400mのここは楽に行けるとは思うんですけど…。ん〜、ほかにも行きたそうな馬がいるからちょっとわからないですね。個人的には、57キロという斤量が気になります。今回、前走比1キロ増ってこの馬だけなんですよ。だから、人気とはいえ、ちょっと怪しい気がしますね。僕は10番のハヤブサタイザン(6番人気)が気になるなぁ。

佑介 スナッチアイズはどう思う?

藤懸 僕はちょっと外したいですね。良馬場ではちょっと厳しいような…。

佑介 うん、俺もそんな気がする。ちょっとパワーが足りひんよな。

浜中 貴志、3番と9番はどっちが強い?

藤懸 いい勝負だと思います。時計もほぼ同じですからね。でも、9番のほうが安定感があるなぁと思いますね。下原さんですし、住吉厩舎もすごく勝っている厩舎なので。

 ここで待ちに待った各種串揚げがみんなの前に。牛串を頬張った佑介騎手が、思わず「うまッ!」と声が出たほどの本格派。「ホントに美味い! 牛串、ホルモン、ポテサラハム巻がオススメです!」(佑介騎手)。ここで馬券を買いに店を出る一同。その様子と各自の買い目は、動画でお楽しみください!

佑介 (店内に戻り)この状況、めっちゃいいな。美味しい串カツを食べながら競馬を観るなんて。

藤懸 最高ですよね。あ、そろそろスタートしますよ!

with佑

▲「ホントに美味い!」と串カツをほおばる藤岡兄弟


with佑

▲隣のお客様と意気投合!一緒に馬券検討する浜中騎手


 レースは7番ボンテアトル(4番人気)が好スタートからハナへ。藤懸騎手が「1キロ増が気になる」と話していた2番ゴールドエントリーは3番手に控え、落ち着いた流れに。

康太 先生、これ流れはどうなん?

藤懸 流れはちょっと落ち着いてます。だいぶ遅いと思います。

康太 ということは、前残りか!?

藤懸 前が残りそうですね。あ、2番くるやん、1キロ増!

康太 スナッチアイズもきてるけど!

浜中 えッ? スナッチアイズ!?

藤懸 ダメだ〜! 全然ダメ。笑えるぐらいダメです(涙)。

1着 7番ボンテアトル 川原正一騎手(4番人気)
2着 4番スナッチアイズ 永井孝典騎手(7番人気)
3着 9番チェリーベアハート 下原理騎手(1番人気)

康太 スナッチアイズ、気になって買い目に入れてたのに〜!

浜中 誰だよ、4番はアカンて言った人!(←アナタです)

康太 乗ってたんちゃうん! これさ、誰一人当たらずに終わる可能性も……。

佑介 あるね。

 この時点での残金を各々に確認すると、佑介騎手が25000円、康太騎手が19000円、そして浜中騎手が──。

浜中 僕、たぶん今1位ですよ。だってまだ1万円もあるもん。

佑介 いやいやお前、ビリやで。

浜中 マジで!?

 というわけで、9Rに続き、またしても全員ハズレ。しかも浜中騎手は、自身がかつて騎乗していたスナッチアイズを迷わず買い目から外し、その馬がきてしまうという痛恨の結果に。さらに、「僕の隣にいたお客さん、スナッチアイズを買おうと思っていたらしいんだけど、僕が『いらない』って言ってしまったせいで馬券が外れてしまった…」と意気消沈。

 残る対決の舞台はメインレースのみ。はたして康太騎手が危惧するように、このまま誰も当らず、まさかの残金勝負となってしまうのか、はたまたここぞの場面でプロの眼が的を射ぬくのか!? 衝撃の結末が待ち受ける、この後の展開をお楽しみに!

with佑

▲佑介騎手と、兵庫県競馬組合の公式マスコットキャラクター“そのたん”


(文中敬称略、次回へつづく)