競馬ファンが「今日から使える」ことをテーマに開講した栗山求氏の『簡単血統塾』の第5回。今回は、まずマイルCSを制したロードカナロア産駒・ステルヴィオの解説、そして今週のジャパンCにも関係するある種牡馬についての「使える」知識も栗山先生が教えてくれます。
■先週の血統ピックアップ
・11/18 マイルチャンピオンシップ(GI・京都・芝1600m)ステルヴィオが昨年の覇者ペルシアンナイトをアタマ差抑えました。2歳時から世代のトップを争う実力馬であり、この春は皐月賞、ダービーとクラシック路線を歩みましたが、スピードを武器とするロードカナロアを父に持つため、残念ながら芳しい成績を残せませんでした。
ここまでの戦歴を振り返ると、1600〜1800mは[4-3-0-0]、2000m以上は[0-0-0-2]。ロードカナロア産駒全体の成績を見ても、芝1600〜1800mは連対率27.3%、芝2000m以上は19.7%。成績的に差が見られます。今回は適条件のレースで能力を出し切りました。
・11/18 2歳未勝利戦(東京・芝1600m)
秋の東京芝1600mの2歳未勝利戦はレベルが高く、過去5年間に限っても、ロサギガンティア、ヌーヴォレコルト、ショウナンアデラ、ダノンプラチナ、アーモンドアイ、プリモシーン、テトラドラクマといった重賞勝ち馬が出ています。このレースを勝ったのは牝馬のペレ。新馬戦で3着に敗れたあとここに臨み、後方待機策から大外一気の末脚で差し切りました。
父はハーツクライ。母ホットチャチャはアメリカ産の輸入牝馬で、現役時代は瞬発力を武器にクイーンエリザベス2世チャレンジC招待S(米G1・芝9f)など4つの重賞を制しました。繁殖成績も優秀で、本馬のひとつ上の兄は菊花賞2着馬エタリオウ(父ステイゴールド)です。「まだ幼児体型で……」と陣営が評するように成長の余地を残しています。兄が3歳春に急上昇したように、本馬もいずれ飛躍するでしょう。