2018年11月18日(日) 18:00
【騎手のGIコース解説】ジャパンCの東京2400mをC.デムーロ騎手が解説 フランスとの決定的な違いも
▲C.デムーロ騎手がフランスとの違いも交えながら、ジャパンCの東京2400mを解説 (C)netkeiba.com
GIが行われる舞台を、実際に騎乗した経験のある騎手やそのコースを得意としている騎手に解説していただくこのコーナー。ジャパンCのコース、東京芝2400mの解説をしていただくのは、短期免許で来日中のクリスチャン・デムーロ騎手です。
昨年はソウルスターリングとのコンビで、初めてジャパンCに騎乗。今年は、昨年の覇者シュヴァルグランの鞍上に抜擢されました。大舞台への意気込みと共に、普段騎乗しているフランス競馬との決定的な違いも明かしてくれました。
(取材:編集部)
昨年はソウルスターリングとのコンビで、初めてジャパンCに騎乗。今年は、昨年の覇者シュヴァルグランの鞍上に抜擢されました。大舞台への意気込みと共に、普段騎乗しているフランス競馬との決定的な違いも明かしてくれました。
(取材:編集部)
スタートしてからの位置取りが非常に大事
――よろしくお願いします。まず、東京競馬場にはどんな印象をお持ちですか?
クリスチャン 東京競馬場は本当にきれいな競馬場で、世界と比べても代表できる競馬場だと思っています! その上で2400mと言うのは、フランスの競馬場とは違います。僕がジャパンC自体に乗ったのは去年が初めてだったけど、東京2400mには何度も乗ったことがありますね。
――昨年のジャパンCでソウルスターリングに騎乗された際は、どんなところに気をつけて乗られていましたか?
クリスチャン ソウルスターリングに騎乗した時は、早々とキタサンブラックがハナを主張して、そこから一気にペースが遅くなった。そこで少し行きたがったこともあったね。ほとんどの東京2400mのレースでは、何と言っても、スタートしてからの位置取りが非常に大事なる。
特にスタートしてから、みんながいいポジションを取りたいと押して行くし、入りがすぐということからも1コーナーは本当に大変。ただ、去年のジャパンCはゆったりと入りながらもコーナーで遅くなると言う、いつもとは逆になったんだけどね。でも、ほとんどのレースでは1コーナーまでの入りはすごく速くなる。
▲昨年のジャパンC、騎乗したソウルスターリングは写真真ん中の青帽 (撮影:下野雄規)
――去年はちょっと例年とは違う展開だったのですね。
クリスチャン そう。逆にフランスで乗っていれば、1コーナーまでの入りはすごくゆっくりだから、全く違うと思う。フランスでは出た時に前目のポジションを取りにいく人と、ある程度馬に任せる人と分けたら、ほとんどは後者が多くなってきているから。
その他にも東京2400mは、コーナーを入ってからは比較的にゆっくりになるし、そこまでのポジションが大事になる。そこでペース次第で動いたりすることもできるからね。その後は特別に気になるところはないけど、長い直線では、また日本とフランスでは、少し違う所がある。
――それは、どんな違いですか?
クリスチャン 東京はすごく広い直線があるにも関わらず、スペースがなくなることがよくあるんだけど、それは4コーナーから直線に入った時に、同じコースに密集することが多くなるからだと思う。1コーナーでのポジション取りが、ここでも活きてくるのかなとも思う。
逆にフランスだと詰まるってことは、どのコースでもないと思う。みんな、競馬のスタイルが似ていて、ゆっくりとポジションを決めると、後は外へ外へとみんな誘導するし、騎手自体もそのスタイルに慣れているからね。
――国によっての明らかな違いがあるんですね。
クリスチャン うん。東京2400mのコースとしては、その2点がポイントだと思う。そして、それよりも大事なのはレースのポジションがどうなるかだと思う。今年はなんと、去年ジャパンCを勝ったシュヴァルグランと挑ませてもらうことになった! 色々と考えながら乗りたいと思います。頑張ります!
▲昨年の覇者シュヴァルグランに騎乗(昨年はH.ボウマン騎手が騎乗)、連覇に導くことができるか (撮影:下野雄規)