野中悠太郎

▲3カ月の厩舎作業の期間を経て、念願のアイルランド初騎乗 (C)netkeiba.com


今年の3月から10月までの7カ月間、アイルランドで武者修行をしてきた野中悠太郎騎手。その間の様子は当コラムで連載として、野中騎手自身に発信していただきました。大きな経験を経て、野中騎手にどんな変化が現れたのか。お話を聞かせてもらいに美浦トレセンを訪れると、そこにはたくさんの記者や関係者に囲まれながら笑顔いっぱいで話をする、野中騎手の姿がありました。ご本人を直撃インタビューします。

(取材・文:不破由妃子)

一瞬で気持ちを察してくれた師匠の愛情


──3月中旬にアイルランドにわたり、6月14日に初騎乗。いきなり2着と健闘されましたが、騎乗馬のNear Ketteringは人気の馬だったのですか?

野中  まずは帰ってきた当週に、しかも天皇賞(秋)の日に12鞍も乗せていただいて、競馬に乗れることがどれだけ幸せで楽しいことか、改めて実感することができました。一番大きな東京競馬場で、当然ながら馬場もきちんと整備されていて。やっぱり施設や設備は日本が一番です(笑)。

──師匠の根本先生をはじめ、周りの方に何か変化を指摘されたりしましたか?

野中  具体的に「ここが変わったね」っていうのはなかったですね。自分としても、一番変わったのは気持ちの面だと思っているので、これから成長した部分をアピールしていければと思っています。

──精神面での変化についてはあとでじっくり伺っていきたいと思いますが、そもそも今回の遠征のきっかけとなったのは、フランスの招待競走に参加されたことだったそうですね。そこで海外への思いを強くされたとのことですが、なぜアイルランドだったのですか?

野中  もともと海外に行くならヨーロッパがいいなと思っていて、なかでもできれば英語圏がいいなと。アイルランドに決めたのは、ヨーロッパのなかでも一番厳しいと聞いていたので。

──あえて厳しい場所を選んだわけですね ・・・

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