栗山求の「今日から使える!簡単血統塾」
「今日から使える!」をキーワードにスタートした栗山求氏の『簡単血統塾』の第3回。2歳女王決定戦・阪神JFの有力候補に躍り出たダノンファンタジーの血統的解説や、今週の“Tips”にはキセキなどらの産駒が活躍する種牡馬・ルーラーシップが登場します。

■先週の血統ピックアップ

・11/3 ファンタジーS(GIII・京都・芝1400m)
 ダノンファンタジーが単勝1.5倍の断然人気に応えました。これで未勝利戦・ファンタジーSと2連勝。距離短縮で忙しい競馬になりましたが、地力の高さで押し切りました。母ライフフォーセールは南米アルゼンチン産馬で、現役時代は同国でブエノスアイレス州大賞(亜GI・ダ2200m)、セレクシオンデポトランカス大賞(亜GI・ダ2000m)など6つの重賞を制し、通算10戦8勝の成績を残した名牝です。「アルゼンチン牝系に父ディープインパクト」という配合は、サトノダイヤモンドやマカヒキが出ており成功しています。

 アルゼンチンの競走体系は日本と同じく芝とダートの2種類。日本と違うのは、たいていの馬が芝とダートの違いにこだわらず双方のレースに出走することです。三冠レースも芝1レース、ダート2レースと混在しています。ダートは日本のサンドコースとは違い、粘土質にローラーをかけたアメリカ流。したがって速い時計が出ます。ダートで実績を挙げた馬=スピード不足、という図式は成り立ちません。デビュー戦で2着と負かされたグランアレグリアが朝日杯FS(GI)にチャレンジするので、次走の阪神JF(GI)はチャンスでしょう。

・10/13 未勝利戦(東京・ダ1400m)
 新馬戦(ダ1400m)で3着と敗れたグランソヴァールが変わり身を見せ、5馬身差で圧勝しました。時計を1秒6も短縮したのは立派です。父ダンカークはアメリカからの輸入種牡馬で、現2歳世代が初年度産駒。アメリカ繋養時代の2013年に北米新種牡馬チャンピオンとなっています。いかにもアメリカ産馬らしい筋骨隆々とした体つきなので、パワーを要するダート向きかと思いきや、産駒がデビューすると芝での成績が優秀。ただ、10月以降はダートでの巻き返しが見られます。

 現時点で芝6勝、ダート2勝ですが、年末までには成績が拮抗してくるかもしれません。芝で勝った6頭中5頭は母方にサンデーサイレンスを持ち、残る1頭もサンデーの父ヘイローを持っています。一方、ダートで勝ち上がった2頭はいずれもサンデーサイレンスを持ちません。ダンカーク産駒の馬場適性は、芝向きの血であるサンデーサイレンス(またはその父ヘイロー)の有無でざっくりと判別できます。本馬の母スイートマカロンはアメリカからの輸入繁殖牝馬でサンデーサイレンスを持ちません。クラスが上がっても楽しみな馬です。

■今週の血統注目馬は?

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