すぐに使える血統知識を教える栗山求氏の『簡単血統塾』第7回目。香港国際競走、阪神JFと国内外で盛り上がった先週の競馬から今回も“なるほど”なトピックを先生が教えてくれます。そして「使える」という意味ではまさに今、12月に使うべきあるTipsが登場。さっそく今週末から使える逸品です。ぜひチェックしてみてください!

■先週の血統ピックアップ


・12/9 阪神ジュベナイルフィリーズ(GI・阪神・芝1600m)
 外から伸びたダノンファンタジーがクロノジェネシスとの一騎打ちを制しました。前走、ファンタジーSを勝った際に一度取り上げましたが、GIを勝ったので再度の登場です。母ライフフォーセールは南米を代表するサラブレッド大国アルゼンチン生まれ。2016年の生産頭数は7405頭で、日本の6901頭を上回っています。これはアメリカ(20850頭)、オーストラリア(12653頭)、アイルランド(9381頭)に次いで世界第4位(日本は5位)です。20世紀半ば以降、優れたアルゼンチン産馬がアメリカへ移籍し、同国のビッグレースをたびたび制覇してきました。

 その代表がフォルリで、同馬の血はヌレイエフやサドラーズウェルズに含まれています。サンデーサイレンスの2代母の父モンパルナスもアルゼンチン産馬。現在の米サイアーランキングで上位の常連となっているキャンディライドは、生まれ故郷のアルゼンチンと移籍先のアメリカで計6戦全勝の名馬でした。世界の血統シーンにおけるアルゼンチン血統の存在感はきわめて大きいといえるでしょう。アルゼンチンは芝もダートも速いタイムが出るので、適性面に関して日本と大きな差がないというメリットがあります。サトノダイヤモンドとマカヒキはダノンファンタジーと同じくアルゼンチン牝系のディープインパクト産駒でした。このパターンは今後も注目したいところです。

・12/9 黒松賞(中山・芝1200m)
 好位追走のホウオウカトリーヌが勝ちました。父マツリダゴッホは有馬記念優勝馬で、それを含めて勝った6つの重賞はいずれも2200m以上。しかし、マツリダゴッホの子は芝1800m以下を得意としており、芝1200mがベスト。タイプがまったく違います。このパターンの種牡馬にはアドマイヤムーンがいます。同馬は現役時代にジャパンCや宝塚記念を勝ったものの、ファインニードルやセイウンコウセイをはじめ、産駒は短い距離で活躍しています。

 マツリダゴッホ産駒は、とくに牝馬は距離がもたない傾向が見られ、開花も早めです。パワーがあるので道悪や荒れ馬場になればさらに強さを発揮します。

■今週の血統注目馬は?


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