【C.ルメール騎手】狙うは昨年を超えるJRA年間200勝 「今年もスペシャルイヤーにしたい」

▲年間GI7勝の新記録も達成、絶好調のクリストフ・ルメール騎手 (撮影:大恵陽子)


今秋スタートした新企画。「今週のface」はジョッキーや調教師など、いま最も旬な人を直撃するインタビューコーナーです。

この秋、絶好調のクリストフ・ルメール騎手。秋華賞(アーモンドアイ)、菊花賞(フィエールマン)、天皇賞・秋(レイデオロ)、JBCスプリント(グレイスフルリープ)とJRA場で行なわれたGIを4週連続勝利。年間GI7勝の新記録も達成しました。「今年もスペシャルイヤーにしたい」というルメール騎手に、秋のGI4戦の振り返り、そしてモズアスコットと臨むマイルCSについて展望を語っていただきました。

(取材・構成:大恵陽子)

アーモンドアイはFantastic Horse!

――まずは、アーモンドアイでの牝馬三冠達成おめでとうございます。

ルメール ありがとうございます。

――桜花賞のレース後に「Triple Crown!」とおっしゃったのが印象的でした。

ルメール 桜花賞を勝って「この馬で三冠を獲れる」って確信しました。オークスは絶対に勝てると自信があったんですが、桜花賞は1600mでスタートがそんなに速い馬ではないので自信がなかったんです。レースでは、トライアルで強い勝ち方をしたラッキーライラックが4コーナーでも前の位置にいて心配しました。でも、直線で10馬身後ろからみんなを抜かしていった彼女(アーモンドアイ)の速さは半端なかったです。ラッキーライラックはすごくいいレースをしていたけど、アーモンドアイが強すぎたね。

――オークスではロードカナロア産駒のため距離不安もささやかれましたが、一蹴。二冠馬となり最終戦・秋華賞に駒を進めましたね。

ルメール 秋華賞は京都の内回り2000mでトリッキーコース。それだけが心配でした。馬の能力は全然問題ないけど、もしスタートで出遅れて後ろのポジションになれば最後はちょっと大変になります。で、実際大変になりました(苦笑)。

――そんな不利な状況を跳ねのけて、あの末脚はすごかったです。

ルメール 3〜4コーナーで前が詰まってすごい大外を回らなければいけませんでした。まだ逃げ馬とは10馬身くらい大きな差があって、短い直線ではちょっと難しい状況でした。でも、直線ではすごい瞬発力を発揮してくれました。Fantastic Horse! 素晴らしい馬です。

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▲秋華賞優勝時のアーモンドアイ (C)netkeiba.com

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▲桜花賞後に宣言した「Triple Crown!」を有言実行 (C)netkeiba.com


――翌週の菊花賞ではデビュー4戦目、最少キャリアでフィエールマンが優勝しました。ルメール騎手がレースで騎乗するのはこれが初めてでしたが、いかがでしたか?

ルメール まだ重賞を勝っていない馬だったけど、能力がありましたね。新馬戦を勝った時と福島で負けた時(ラジオNIKKEI賞2着)は力を見せました。馬の能力があることを分かっていたので、GIだけど自信を持って乗りました。いいポジションでゴールまで馬が頑張ってくれました。
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▲最少キャリアで菊花賞を優勝したフィエールマン (C)netkeiba.com


――さらに天皇賞・秋はダービー馬レイデオロで勝利し、JBCスプリントはグレイスフルリープで制覇と絶好調ですね。

ルメール 天皇賞はこれまで2着が多かったけど、ついに勝つことができて嬉しいです。すごくいいメンバーでしたが、レイデオロも直線でいい脚を使いました。毎週、重賞を勝って自信が出てきたし、リラックスしていいレースができています。

 馬のコンディションもいいですし、枠にも恵まれています。たとえばJBCスプリントでは武(豊)さんの隣。スタートしてすぐに武さんをマークすることができてラッキーでした。外枠だったら全然違うレースになって、勝っていなかったと思います。

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▲天皇賞・秋をダービー馬レイデオロで勝利 (撮影:下野雄規)

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▲京都で行われたJBCスプリントをグレイスフルリープで制覇 (C)netkeiba.com

モズアスコット「レース毎にパワーアップしていく」

――マイルCSにはモズアスコットと出走予定です。前走・スワンSは約4カ月半の休み明けながらハナ差2着でした。

ルメール 残念ながら負けましたが、精一杯走っていたしいい競馬ができました。長い休み明けでリズムがまだ良くなかったのと、ちょっと忙しかったです。ゴール前は少し疲れていました。でも悪くなかったし、使いながら良くなっていくでしょう。次のレースはマイルCSと香港で大きなレース。レース毎にコンディションが良くなりパワーアップしていくと思います。

 少し前は1400mの方が良かったですが、今は大丈夫そうです。以前はスピードがあってエキサイトするから速いペースがよかったけど、いまは乗りやすくなったから1600mも大丈夫。ちょっと大人になって、マイルのペースもいいですね。

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▲安田記念優勝時のモズアスコット、春秋マイルGI制覇を狙う (撮影:下野雄規)


――日本ダービーを勝った昨年は「スペシャルイヤー」とおっしゃっていましたが、たくさんGIを勝った今年もそうなりそうですね。

ルメール JRA年間200勝の(自身の)レコードをとったら(※昨年は惜しくも199勝)、また違う意味でスペシャルイヤーですね。がんばります!